FCD surfboard
パタゴニアの本社はカリフォルニア州のベンチュラという場所にあります。
広い敷地の中には本社、直営店、幼稚園、カフェなどがあり、FCD surfboardの工場もそこにあります。
パタゴニアが生まれた場所、
イヴォンさんがピトンを作っていた場所、
そこでサーフボードを最初から最後まで作っています。
パタゴニアが始まった場所で唯一今もモノづくりをしているのが、FCDです。
箱を開けた時に広がる空気は、カリフォルニア州ベンチュラのパタゴニア本拠地から運ばれてきた物なのです。
ロマンチックすぎるかもしれませんが、僕にとっては重要なストーリーです。
ストーリーだけでなく、ギアとしての機能性や品質の高さも継承されています。
FCDサーフボードの特徴は
- 折れない
- テイクオフが早くてよく走る
- 汎用性が高い
- 基本、ハイパフォーマンス
折れない
FCDサーフボードは頑丈です。
実際に10年くらいFCDをメインボードにしていましたが、ハワイ遠征も含めて一回も折れませんでした。
デッキ3層、ボトム2層という重厚なグラッシングと自家製のEPSフォームが強度を高めています。
ラミネート作業はクロスの枚数が多いほど難しいので、職人さんが頑張ってくれているんだとわかります。
テイクオフが早くてよく走る
体重やサーフィンのレベルにあったモデルを選んでいる前提ですが、FCDは波を捕まえるのが早いです。
そして横に向けるとグングン走ります。
EPSフォームはウレタンフォームより浮力があります。そのため、相対的に波をつかんで滑り出すのは早い傾向があります。
プラス、通常よりデッキもボトムも1枚づつ多くクロスをラミネートしてあるので、重さがあります。
車に例えると、軽い車は初速が速く、重い車はスピードがある状態でアクセルを話してもすぐには止まりません。
FCDはテイクオフの時は軽い車の特徴を持ち、スピードが出てからは重い車の特徴が出ます。
なのでキャッチが速くて、スピードが出てからは安定するんです。
長年、フォームをEPSオンリーで展開してきたため、EPSの特徴をよく理解していらっしゃる強みですね!
でも、簡単な理屈のように聞こえますが、理屈は簡単でもそれを機能する形に作り上げるのはとっても難しいのです。
スキルの高いサーフボード職人が揃っている事が出来上がったサーフボードからよく分かります。
汎用性が高い
例えば通称Eggというモデルは選べる長さの幅はめちゃくちゃ広いです。
普段ショートボード乗っている人なら、5,6くらい。
普段ロングボードやミッドレングス乗っている人なら7,6くらい。
どんな長さを選んでも、よく曲がり、よく走ります。
波のタイプもビーチ、リーフ、リバーマウス、ポイントブレイク、スラブ、なんでも対応してくれます。
折れなくて、1本で幅広いコンディションに対応してくれる。
だからこそ、少ない荷物で充実した旅が出来るし、期待より波が小さくても楽しめるのです。
基本ハイパフォーマンス
FCDに丸いレールの板は一本しかありません。
BTというシングルフィンのロングボード。
ショートボードは当然としても、ロングボード、ミッドレングスもすべてエッジの立ったテールエンドを持っています。
サーフボードを踏み込む事でエッジのきいたフルカービングが出来る反面、ある程度のスキルを求められます。
Eggを例にすると、滑り出しは早いけど上手にターンするには練習が必要という事です。
テイクオフが早くてよく走るという特性は、スピードがある状態でターン動作に入れるという事。
だから徐々にターンの質も上がり、ハイパフォーマンスなデザインにも自然となじんでしまいます。
今まで色々なシェイパーのサーフボードに乗ってきましし、調子の悪いボードなんてありませんでした。
しかし、振り返ってみるとFCDだったからメイクできた波がたくさんありました。
サーフボードが自分の可能性を引き出してくれたのです。
パタゴニアのサーフボードって聞くと、洋服屋のサーフボードと思われがちですが、そんな事ないんですよ!
だって、ジェリーさん、ウエインリンチさんと会話してるし、マロイ兄弟やデヴォンハワードさんのフィードバックが入っているし、今はラスタさんもいますし、ダンロス先生も在籍、しかもビックウェーブはコールさんやラモンさんがテスターです。
ドリームチームですよね?
自信があるからこそ、パタゴニアサーフボードという名称にせずデザイナー兼シェイパーのフレッチャーさんの名前で勝負しているんです。
そのうち紹介しますが、Gunの性能も恐ろしく高いです。しかも、巨匠たちに比べて圧倒的にリーズナブル。
そんなFCD、きっと限界を引き上げてくれると思うので、1本試してみてください。