八甲田スノーサーフィン巡礼
お気に入りのサーフポイントはたくさんありますが、毎回期待通りの波が立っているわけじゃありません。
最高の波に乗れた翌年は全く波に乗れない事もあります。
自分にとっては春の八甲田もそんな場所の一つです。
素晴らしい地形の宝庫で雪も豊富で秘境感も満載。酸ヶ湯を筆頭に温泉も最高レベル。
八甲田雪中行軍が有名ですが、実際に真冬は吹雪が続く過酷な山です。
そして日本で最も山岳滑走の文化が強い場所なんじゃないでしょうか?
八甲田山ガイドくらぶをはじめ、酸ヶ湯などお宿がガイドサービスを提供していて、参加費も6000円、敷居が低くて嬉しすぎます。
話がそれましたが、個人的にはなんも見えない冬の後の優しい春の八甲田のファンです。
写真のように天気も安定して、日も伸びるのでだいぶ近づきやすくなります。
結構な確率でお山が全部見えて気持ち良し。
月面に着陸したような気分になります。
吹雪じゃないので行動はしやすいのですが、実は積雪と融雪を繰り返すこの時期は真冬よりもはるかにグッドコンディションを当てるのは難しくなります。
求めるのは完璧なザラメ雪。
コーンスノーと呼ばれたりもします。
パウダーも気持ちいいですが、山の神様にどっちか選べと言われたら迷わずコーンスノーを選びます。
だからこそ、それを求めて毎年この場所に巡礼に出かけます。
今回は正確には3年ぶりくらいの訪問ですが、山は逃げないので、自分のペースでコツコツと通っています。
今回は、はじめてバックカントリーに挑戦するサーフィンスクールメンバー3人と一緒に八甲田に行きました。
今年からはじめたサーフィンスクール雪山編の締めの行事です。いきなり八甲田でBCデビュー!
ツアーを企画しても参加者がいなければ成り立ちませんが、今回は3人の方が参加してくれました。
ありがたいことです。
おかげさまで八甲田にこれたのです。
みんなでいい時間を過ごしましょう。
ガイドは地元のスペシャリストにお願いして、みんなにバックカントリーでの行動の仕方や滑り方、準備や時間に対する意識など、たくさんの事を教えていただきました。
いくらでも素晴らしいガイドサービスがあるのですが、パタゴニアのアスリートプログラムの仲間であるlife style designの武山さんを頼りました。
数年前にこういうツアーやりたい!って相談しといたので、本当によくしてくれました。
はじめてのバックカントリー、個人的には春からはじめるのが良いと思っています。
なんと言っても雪崩のリスクが低いですし、パウダースノーをかき分けて歩く必要もなく、暖かくて日も長いのでゆっくり行動できます。サーフィン始めるなら真冬より真夏の方がハードル低いのと一緒です。
猛吹雪の中で散歩するのと、日差しを浴びてフキノトウやキクラゲをピックアップしながら散歩するんじゃ全然違いますよね。
パウダースノーだけじゃない山の魅力をたくさん感じれるのが春の山だと思います。
パウダーだけだと2月でシーズン終了ですが、春も照準に加えると4月までシーズンが続きます。滑るのが好きなら、とことん自分の可能性を広げて欲しく、春にはその要素が詰まっています。
さてさて、
今回は天気は最高ですが、雪質的にはブレーキがかかるちょっとテクニカルなコンディション。
ほんと、春の極上は簡単には当たりませんが、毎度一喜一憂しながらコツコツと続けて、ある日the dayが来る。
情熱と時間を費やした分、その日が格別になるのを知っているから、良いのです。
そんな春は、少しでも気持ちよく滑るためにワックスを研究したり、こまめにクリークングしたり、滑走のために冬とは違った努力をして、少しでも質の高い滑りができるよう最善を尽くします。
ガイドは単に山に一緒に上がってくれて、どう滑れば良いか先導してくれるだけでなく、装備の使い方、雪山の知識、滑りのコツ、行動計画を立てる意味や、意思疎通の大切さ、など実に幅広い事を教えてくれます。
大事なのは、ガイドに頼りっぱなしでなく、自分の五感も働かせること。
一生、一緒に山に上がってもらうのでなく、毎回学び取り実践を繰り返し、徐々に自分の山スキルを上げていくことも大切。
ちなみに今回はじめてアイゼンを付けてハイクアップする事が出来ました。
夜はお宿でホタテの稚貝をいただきました。
当たり前ですが、最高に美味しかったです。
でもなぜ大きく育てずに稚貝のうちに食べてしまうのか?でしたが、理由を聞いて納得。
味も大切だけど、売り物は見た目が重要視されていて、写真の稚貝のように殻にゴミがへばりついていると高く売れないから、小さいうちに間引くそうです。
もったいないなーと思いますが、野菜も魚も肉もおんなじですね。
現場で聞く話は面白いです。
来年も是非行きたい場所
4月の八甲田山でした。