ミニノーズグライダー
FCDで1番お気に入りのはミニノーズグライダーです。
このボードは本当に傑作で、もしサーフボードを1本しか持てないとしたら、迷わずこのボードを選びます。
この記事ではミニノーズの先端が赤くなるくらい、このサーフボードの良さを語りたいと思います。
いきなりですが、はじめてこのサーフボードを見たとき、正直言うと「不細工だなー」って思いました。
だから存在を知ってから実際に触手を伸ばすまで一番時間がかかりました。
第一印象が良くてすぐに意気投合した人より、ちょっと苦手と思うくらいから徐々に信頼関係を築いた人のほうが、振り返ると長く続く良い関係が出来てたりするのと似てますね。
第一印象も大切ですが、全てではない事をこのサーフボードに教えられました。
出会ってから乗るまで時間はかかりましたが、出会ってからはいつも一緒。
このサーフボードと一緒に日本全国を旅して回り、あまりに調子が良いのでカリフォルニアやインドネシアにも連れて行きました。
写真はフォトグラファーの李さんが撮ってくれた青森トリップでのライディング
もともとロングボードからサーフィンを始めてから選手としてコンテストにも出ていたので、当時はコンディションを問わずロングボードでサーフィンをしていました。
相棒のハイパフォーマンスロングボードもヒザ波からダブルオーバーヘッドまで一本で対応できるという意味ではオールラウンダーでした。
ハイパフォーマンスロングボードのテールはショートボードのテールとほぼ一緒のデザインなので、操作方法もマニューバーもショートボードに近くなります。
パチパチとは行かないまでも、基本的にはサーフボードを常に振り回しながら乗るわけです。
ここで気になってくるのが、サーフボードの長さに伴うスイングウエイトです。
ショートボードのようなラインを描きたいのに長さは1.5倍あってノーズ付近のアウトラインも丸くて広い面積があります。
これはどう考えても邪魔でした。
それを解消してくれたのがミニノーズのデザインです。
誤解を恐れずにいえば、サーフボードを変えただけでサーフィンが上手くなりました。
ロングボードより2フィート短いので、スイングウエイトは比較にならないほど軽くなります。
だから全てのカービングターンがそれまでよりも自由に出来るようになりました。
テールエンド周辺にしっかりエッジがあるので、踏み込むと小気味良く波を切っていってくれます。
ミニボードのターンに近い感覚です。
短いのでレールを入れながらナナメにテイクオフするのが楽なので、波が掘れ上がったところからテイクオフするのも楽になりました。
ノーズとテールが丸いので、アウトラインのカーブはストレートラインが長いです。トリミングスポットで加重するとアップスンダウンしなくても、加速してフェイスを走り抜けていきます。
という事は、チーターファイブでハイラインダウンザラインが最高に気持ちよく出来るので、それが出来そうなフェイスがあったらそればかりやってしまいます。
とってもスピード出るし、ちゃんと前足にも加重してノーズをダウンザラインさせる感覚も味わえますよ!
ノーズもテールも広いので、波のカール付近にボードをセットすれば狭いスタンスのハングファイブも出来ます。ハングテンも成功した事ありますが瞬間芸ですね。
重たいシングルフィンのログとは当然違う乗り物なので、ここは仕方なしと思います。
私は7フィートを愛用しておりますが、8フィートを選べば安定性が向上します。しかしながら、ロングボードより1フィート分スイングウエイトが軽いので、はじめてのサーフボードにも、新たな刺激を求めるハイパフォーマンス志向のロングボーダーにも、シングルフィンロガーがオンショアやサイズアップした時に持ち出すにも最適な一本になり得ます。
でもオススメは7フィート。
乗り方のコツは、
パドリングのポジションによってテイクオフがだいぶ変わるので、最適なポジションを探す(出来るだけ前に乗るよう心がける)
掘れた波の時はテイクオフのタイミングからナナメに向けてレールを入れる。
幅広めのテールなので反発も大きいため、波が大きい時はターンする時に後ろ足をしっかり踏み込む。
波の大きさに合わせてフィンを変えてみるのも良いと思います。
人によって変わると思いますが、個人的にはオーバーヘッド以上の場合は8インチくらいのレイク少なめを装着しています。
サイドフィンはファイバーグラスで作られた硬いものを選びましょう。
サイズのある時にプラスチックはパワー負けして十分な支点になってくれません。
といったところですね。
ノーズが丸いので初心者用のサーフボードと思われがちですが、実はバランスの良いハイパフォーマンスミッドレングスです。
私はこのサーフボードに乗ってマニューバーの領域がすっごい広がりました。
この板はそこまで連れて行ってくれた無口な水先案内人。
でも、ミニノーズに乗って万人が同じ印象を持つわけじゃないと思います。
サーファーにも個性があり、サーフボードにも個性があります。
パートナー探しはどれも似たところがあると思いますが、良いサーフボードとの出会いは簡単じゃありません。情熱と研究心、そして巡り合わせといった運もあると思います。
サーフボードはサーファーに可能性を教えてくれる道具を超えた存在。
最高の相棒探しもサーフィンの楽しみ!
ミッドレングスに限らず、相棒探しの相談もよく受けるので、何かお手伝いできる事があればDMください。
テキスキ、オンライン、オフライン、セッション、どんな形でも対応します!
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